空き家の放置で固定資産税が6倍に?そうならない為の知識と対策!

私の住んでいる地域は約50年程前に造成された団地で、現在では高齢者が多くなっている団地です。

ですので、その方が亡くなった後は空き家となってしまいます。
そのような物件がどんどん増えているのが現状です。

そこで政府もこのままではいけないということで空き家対策の法律を作りました。その法律によって放置し続けている空き家にはペナルティーを課すことになりました。

それが、固定資産税を6倍にする事なのです。

そこでこの記事では、どういう状態になれば固定資産税が6倍にならるのか?その解説と対策について宅地建物取引士の私がお伝えします。

目次

どんな時に空き家の土地の固定資産税が6倍になるのか?

通常、居住用の建物を所有していれば空き家の状態でも、土地の固定資産税は住宅用の特例を受けることができて軽減されるんですね!

具体的には、土地の面積が200㎡までは6分の1に、200㎡を超える部分(建物の床面積の10倍まで)は3分の1に土地の固定資産税が軽減されます。

ところが、空き家を放置しているとこの優遇税制の恩恵を受けることできなくなるかも知れないんです。

空き家を放置している事によって、倒壊や不衛生による悪臭や害虫の発生、適切な管理が行われていない為に、著しく景観を損なうような状態にある空き家が問題なのです。

そこで、そのような迷惑空き家対策の為、平成27年2月26日に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。

その法律によって空き家を放置している事により、上記のような迷惑な空き家に対し行政が是正の勧告をします。そして、所有者その勧告を無視し続けていると「特定空き家」と看なされます。

「特定空き家」と看なされた場合に、土地に固定資産税の住宅用の特定を受けることがでなくなり6倍から3倍の増税となってしまうのです。

又、そのまま空き家を放置し続けていると行政が行政代執行を行い、放置空き家が解体されてしまう事になります。

行政代執行とは?

行政代執行(ぎょうせいだいしっこう)とは、行政上の強制執行の一種。義務者が行政上の義務を履行しない場合に、行政庁が、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することをいう(行政代執行法1条2条)。単に「代執行」ともいう。 行政代執行法について以下では、条数のみ記載する。(ウキペディアより)

つまり、行政によって勝手に空き家を壊わされてしまうのです。

ああそうなんだ、行政が勝手に空き家を壊してくれるんなら

ありがてーや!・・・・・

なんて、思っていたら大変な事になります。

解体後しっかり行政から所有者に対して請求書が回ってきますので・・・・・

自分で解体を依頼した方がずっと安くすむかもしれません。

という事で空き家を放置し続けている事によって、土地の固定資産税が6倍になる仕組みがおわかりいただけましたでしょうか?

空き家の土地の固定資産税が6倍にならない為の対策

それではどういう対策が必要なのでしょうか?

ここまで、お読み頂いた方はもうおわかりと思いますが、単純に空き家の定期的な管理をすればいいという事です。

具体的には、室内の簡単な清掃をしてたり、窓を空けて通風をしたり、庭の草刈りをしたり、屋根や外壁の状態、窓がわれていなかか等を確認すればいいのです。

でも、遠方に住んでい場合にはなかなか実家まで足を運べないですよね!

そういう場合は、地元で空き家を管理してくれる親戚の方、不動産屋さんや管理会社、清掃会社又はシルバー人材センターなどに依頼して管理してもらいましょう。

もし、そういう管理費用も支払いたくないという場合は売却をしてしまった方がいいかも知れません

毎年、固定資産税が発生しますし、管理を業者に依頼していれば管理費用も発生します。土地の価格はまだまだ下落傾向にありますので、売却するには今の時点が一番ベストな状態だと思います。

建物自体も、年々老朽化していきます。まだ、最近まで住んでいた建物であれば買う方も安心できますが、数年も空き家のままになっていた物件は不安です。

特に長期に空いた物件の水回りはダメージを受けている事が多いからです。
水道管なんかは放っておくと内部にサビが発生してしまいます。

ところが、売却することにより一切の空き家の悩みから解放されることになります。

売却以外には、「貸家にする」という選択も考えられます。建物の築年数にもよりますが、築30年以上の建物は多額なリフォーム費用も発生します。

又、毎年の固定資産税や屋根、外壁のメンテナンス費用、所得が増えることによる所得税、住民税、健康保険料の負担が増加します。

いずれ、建物は取り壊わさなければなりません。それを考えると地価が高い又は少子化があまり進んでいない現時点で売却するメリットの方が大きいような気がします。

ただ、過疎地域の物件なんかは不動産業者で扱ってもらえないような物件もあるかもしれません。その場合は自治体が行っている「空き家バンク」という制度がありますので登録してみましょう。

「空き家バンク」に登録することで通常売却出来ないような物件でも、価格は安くなりますが購入希望者を探すことができるかも知れません。

住宅用土地の固定資産税の概要

固定資産税は、不動産の所有者に対して市区町村が課税する資産課税です。
標準税率は1.4%になっていますが、市区町村により税率は増減可能な税です。

居住用の建物が建ってる土地については、200㎡までは課税標準額の6分の1に、200㎡を超える面積は3分の1に軽減されます。

ですので、居住用の建物が建っている土地の固定資産税はかなり安く抑えられているのです。

これは、人が住まなくなっても継続されますので放置空き家の増加の一因となってなっています。

結局「空家等対策の推進に関する特別措置法」は、この割安な固定資産税を増税することを迫って空き家の放置を抑制することを狙ったものだと思います。

最後に

空き家の固定資産税が6倍になる仕組みや、6倍にならない為の対策について書いてきました。

実家の空き家の放置は、見過ごせません。

近所の迷惑になりますし、景観も乱されます。

それに活用されていないのが一番の問題で、喜んで使ってもらえる方に利用して貰った方が不動産も喜ぶと思います。

ということで、実家の空き家をお持ちの方は参考にしてみて下さい。

シェアする